支援が必要な子をもつ保護者の就労について

支援が必要な子をもつ保護者の就労について|アンケートから見えたリアルな現実 – 本当の音
支援が必要な子をもつ保護者の就労について
2025年8月17日 読了時間: 約8分 就労支援 保護者 発達支援

この記事のポイント

  • 支援が必要な子を持つ保護者26名のアンケート結果を詳細分析
  • 73.1%の保護者が「休みの取りやすさ」を給料より重視
  • 50%が子どもの支援が必要になってから働き方を変更
  • 柔軟性と安定性のトレードオフという現実的な課題

支援が必要な子どもを育てる保護者にとって、「働くこと」は多くの課題を伴います。今回は、言語聴覚士サキと作業療法士みねこが行ったXスペースの本音トークを基に、26名の保護者から寄せられたリアルな声を詳しく分析します。見えてきたのは、驚くほど多様な働き方と、そこにある切実な願い、そして理想と現実の狭間での葛藤でした。

本音トーク動画(完全版)

言語聴覚士サキさんと作業療法士みねこさんによる本音トークの完全版です

AI解説動画(要点まとめ版)

MCケン&リサによる要点解説版です。忙しい方はこちらをご視聴ください

アンケート概要と主要データ

調査概要

対象:支援が必要な子どもを持つ保護者

回答者数:26名

調査方法:Twitterスペースでのアンケート

実施時期:2025年8月

就労形態の分布

働く上で重視することランキング

働き方は三者三様!「常勤・非常勤・自営業」ほぼ同数の現実

アンケートに回答した保護者の働き方は、「常勤(8名)」「非常勤(9名)」「自営業(7名)」と、驚くほど均等に分かれていました。この多様性は、支援が必要な子どもを持つ保護者それぞれが、家庭の状況に応じて最適な働き方を模索していることを物語っています。

注目すべき事実

50%

子どもに支援が必要だと分かってから
働き方を変えた保護者の割合

この数字は、子どもの診断や支援の必要性が明らかになった瞬間から、保護者の人生設計が大きく変わることを示しています。変更の理由には、コロナ禍や小学校入学などの外的要因もありましたが、多くは「子どもの状況に合わせて」という切実な理由でした。

給料ややりがいよりも重要!73.1%が選んだ「働く上での最優先事項」とは?

保護者が働く上で最も重視することについて、アンケート結果は明確でした。

「休みの取りやすさ」が断トツの1位

73.1%

給与(約50%)、勤務時間(約50%)、仕事のやりがい(約50%)を大きく上回る結果となりました。この背景には、子どもの通院、療育への付き添い、学校からの急な呼び出しなど、予測不能な事態に柔軟に対応できることの重要性があります。

保護者の声

  • 「子どもが体調を崩しやすく、急に休むことが多い」
  • 「療育の予約が平日しか取れない」
  • 「学校から呼び出されることがある」
  • 「通院の頻度が高い」

「柔軟性」と「安定」のジレンマ。保護者が直面するトレードオフの現実

柔軟な働き方を手に入れる一方で、多くの保護者が「トレードオフ」に直面しています。働き方の満足度について、満足している人が多い一方で、不満の声も決して少なくありません。

得られたもの

  • 子どもの急な体調不良に対応できる
  • 療育や通院に付き添える
  • 家族の時間を確保できる
  • ストレスが軽減された

失ったもの

  • 経済的な安定性(ボーナスカット等)
  • キャリアアップの機会
  • 社会保険等の福利厚生
  • 将来への不安の増大

保護者の本音

「常勤から非常勤になったことでボーナスがなくなり、経済的に厳しい」

「本当は安定した常勤で働きたいが、子どものケアを考えると不可能」

完璧じゃなくていい。日々を乗り切るための「3つの工夫」

仕事と家庭の両立のために、保護者たちはさまざまな工夫をしています。時短家電の活用といった物理的な工夫はもちろんですが、特に印象的だったのは「意識・心の持ち方」の変化でした。

完璧を目指さない勇気

  • • 洗濯物は畳まない
  • • 掃除の頻度を下げる
  • • 手抜き料理を活用
  • • 家事のハードルを下げる

無理をしない・諦める

  • • 自分のキャパを理解
  • • できないことは諦める
  • • 周りに助けを求める
  • • 優先順位を明確にする

睡眠を最優先する

  • • 心身の健康を第一に
  • • 睡眠時間の確保
  • • 夜更かしを避ける
  • • 休息の質を重視

印象的だった保護者の言葉

「無理をしないこと、それが素直に生きることだと思う」

「お金を追いかけずに寿命まで生きていられればそれでよし」

私たち一人ひとりにできること

今回の分析を通じて見えてきたのは、支援が必要な子どもを持つ保護者が、仕事・収入・ケア・自身の健康という複雑な要素の中で、何よりも「柔軟性」を確保しようと日々奮闘している姿でした。

保護者が求めているのは、柔軟性と安定性の両方を諦めずに済む、多様な選択肢とそれを支える社会の理解です。一つの理想的な働き方があるのではなく、個々の状況に応じた多様性こそが必要なのです。

動画からのメッセージ

「あなたは働くにあたって、何を一番重要視しますか?誰もがもっと安心して働ける社会にしていくために、どのような支援が必要なのでしょうか?」

「あなたが働く上で一番大切にしていること」「納得して働くために必要な支援」について考えることをコメントで教えてください。

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